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落語とは弱い芸だなあ

  • 2014/06/30(月) 23:01:45

先日、出前寄席で川崎のある地域寄席に行ってきました。 その地域の高齢者の方々にお見せする寄席です。私が開口一番でしたが、高座に上がり、まくらをふって笑いを取りさあ、離陸というところで、会場かがりのかたが高座の前に登場し、マイクの高さ調整をしました。 スタンドの足を延ばし、口の高さにあげたのです。 これにはびっくりしました、別段声が小さかったわけではありません。 マイクなしでも聞こえる広さの会場なんです。 すっかりリズムが狂い、気を取り直すのに大変でした。 想像してみてください、顔の真ん前にマイクがあり話をしている噺家。 それでもまあなんとかリズムを取り戻し、本編を話していると、今度は自分の声がわんわん反響するような感じになってきました。なんだろうと思って舞台そでを見ると、さっきの人が今度は何やらアンプのつまみを調整している、エコーを効かせているようなんです。「なにをするんだ!」といかりが湧いてきました。 「すみません、声が響いてこれでは聞こえにくいです。もとの通りにしてください。」と頼み、切り抜けました。
全てよかれと思ってやってくれているのですから、攻める事はできないのですが。
やっとこれで噺に入り込めるかなと思っていたら、今度は客席で私語が始まりました。お婆さん同志がひそひそ声で話しているのですが、それが野太い良く通る声で周囲の人たちもそちらを振り向くような音量です。もちろん高座にもビンビン聞こえる。
それが2分くらい続いたでしょうか。次は 誰かがそとから呼ばれて席を立ってゆきました。 噺の全編にわたりインタラプトがはいり全く集中できない高座でした。 高座を降りてきたときの気持ちというものはなんとも言えないものでした。 持っていきどころがないような。素人落語の宿命的なものでしょうか。
落語会が終わったあと、お客様全員で星影のワルツを歌ったのですが、そのとき、先程の会場係のひとはマイクをもって楽しそうに歌っていました。エコーをビンビンに聞かせて。 それで分かりました。マイクの高さは歌のときの高さが基準なんですね、彼にとっては。 エコーもそうなんです。 落語のことは全く知らない。噺の途中に演者の前に出てきてマイクの調整をするのも悪いこととは思っていないんです。 全て親切心からの行動なんです。 こういう事ってどういうタイミングでどうご説明すべきか難しいなあと感じました。 自分も気を付けないといけないと思いました。善意からの行動も人には迷惑かも知れない。 事情をよく調べてからでないと迂闊に動いてはいけないと。
同時に、昔志ん朝師匠が、落語というのは、客席にお酒が出ていたり、召し上がりものが出ていたりすると、もうそれだけでだめですね。ほんとに弱い芸だと思います、と言っていたのを思い出しました。
主催者側と事前の入念な打ち合わせが必要なんですね。 
清五楼

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ぎやまん寄席、そしてEST!

  • 2014/06/24(火) 14:02:25

昨日は湯島天神参集殿で開催された「ぎやまん寄席」を聞きに行きました。古今亭菊之丞師匠と柳家三三師匠の二人会。私の大好きな噺家さんで、お二人とも40代前半。人気・実力とも、ちょうど脂の乗ってくるころで、いま関東で最もチケットの取りにくい落語家ベストテンというのをやったら、ランクインすること間違いなしのお二人と思われます。

番組は以下の5席でした。

開口一番 林家なな子 「平林」
古今亭菊之丞 「親子酒」
柳家三三 「青菜」
柳家三三 「橋場の雪」
古今亭菊之丞 「居残り佐平次」

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それぞれに素晴らしかったのですが、私は「親子酒」「青菜」の2席が特に印象に残りました。

「親子酒」はとくに派手な演技をするわけではないのに、一杯ごとに酔っていく様子、お酒への愛着、女房への甘え、倅への意地、いろんなものが見事に結び合わされていました。

「青菜」も奇を衒ったことは言ってないのに、随所に仕込まれた三三師匠独自のくすぐりが、適材適所で炸裂してダレ場が一箇所もありませんでした。

終演後は、久しぶりの湯島ということでEST!にお邪魔しました。
まず1杯目はギムレット。
フレッシュライムとローズのライムジュースを両方使う、これが本当のギムレットなのだそうです。
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2杯目は、やはりこの時期にどうしても飲みたくなるモヒート。
マスターの家のベランダで育てているという自家製ミントが爽やかです!
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この間(4月)、BSジャパンの「酒とつまみと男と女」という番組でこちらのお店が紹介され、紹介者が春風亭一之輔師匠だったことを思い出して、ちょっと聞いてみた。

「一之輔師匠は時々飲みにいらっしゃるんですか?」

「いえ、あの時が初めてでした。」とマスター。

「でも、こちらは鈴本演芸場にも近いし、噺家さんも時々お見えになるのでは?」

「そうでもないですよ。ちょっと前までは、志ん朝師匠はよくお見えでしたが、そのあとは志ん橋師匠くらいでしょうかね。」

そうか、志ん朝師匠が来ていたのが「ちょっと前」なんだ・・・。

この店は、そういう時間の流れ方をしている。
だから初めて行っても、久しぶりに行っても、なんだか懐かしく、居心地がいいのかもしれない。


さえの助

第1回発表会プログラム

  • 2014/06/19(木) 12:23:35

6月8日の発表会に向けて、楽笑会ホームページをリニューアルしました。ご来訪くださった皆様、ありがとうございます。まだ見てないよとおっしゃる方、ぜひご覧いただけますと幸いです。
http://oedorakusyoukai.web.fc2.com/

今回のリニューアルにあたっては、これでも一応コンセプトらしきものを考えまして、その中のひとつに「楽笑会の伝統を伝える」というテーマを設定しました。伝統なんていうのは少々おこがましいですが、要するに古いってことです。落語風に申せば、「時代がついている」ってことです。そんなことは会員の顔を見りゃわかるって?それを言っちゃあおしめえよ。(笑)

ホームページの「楽笑会とは」にも書かせていただきましたが、本会は昭和51年に発足した非常に歴史ある社会人サークルで、ここまで古い落語サークルは東京広しと言えども、あまりないんじゃないかと思います。そこで、会の発足当時のことを取材してみたところ、ね太郎さんが貴重なお宝を発掘してきてくださいました。

第1回発表会(昭和52年11月27日開催)のプログラムです。

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当時はまだパソコン&プリンターはおろか、コピー機すらない時代。いや、あっても高価で使えなかったのでしょう。プログラムは手書き、ガリ版印刷です。でも、それが今見ると、却って温かみがあっていい感じ。小学校の時に担任の先生からもらったクラス通信を思い出します。

年代モノゆえ少々印字のかすれなどあり、読みにくいかと思いますので、こちらで全文をご紹介いたしましょう。

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“お客様方へ”
落語狂の集まりである“楽笑会”が発足して一年と十ヶ月余り、ここまでやってこれたのも皆様方のお陰と会員一同集まるたびに感謝の涙を流し、皆様方には足を向けては寝られないと毎夜立って寝ているしだいです。常日頃の感謝の気持ちをこめて、ここに第一回発表会を開きます。皆様方のご臨席を賜り、私達の拙い噺を聞いて戴ければ幸いです。
(なお口演者の熱演に歓喜・興奮のあまり失神・発狂する様なことがありましても当会場は赤羽消防署の隣ですので、いつでも救急車の用意がありますので、ご安心しておくつろぎ下さい。)  会員一同

“楽笑会だより”
当会では只今男性会員女性会員を募集しております。年令容姿は問いませんが、心臓の弱い方、神経過敏の方はご遠慮下さい。毎月第二日曜日に赤羽会館で例会を開いてます。
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失神・発狂の危険と隣り合わせの発表会!すごいですね!

そして、会員募集のところで「男性会員」は米粒のような小さいな字、「女性会員」は普通の大きさの字で書かれているところに、当時の会員の切実な思いが読み取れます(笑)。

あれから月日は流れ37年・・・。今では人数こそ3割弱と少ないものの、その存在感では男性会員をしのぐ勢いの女性会員たち。楽笑レディースのパワーと知性とセンスあふれる高座をご覧になりたい方は、ぜひ8月の発表会に足をお運び下さい。ただし、失神・発狂・発情しても当会は責任を負いかねます(笑)。

さえの助

小夏大師匠ご出演

  • 2014/06/17(火) 17:46:31

小夏大師匠ご出演。岡山で田舎家かかしさんから頂いたチラシです。
素人落語まつり池田

志ん朝師匠の教え

  • 2014/06/17(火) 12:41:37

志ん朝師匠が毎年名古屋の大須演芸場で独演会をやっていた時のCD集を楽笑会のファンの方から頂いた。 気楽に気持ちよさそうに語る師匠の落語は大きな会場での口演とはことなりまた楽しい物です。そのCD集に小冊子がそれられており、関係者や旅につれて行ってもらった若手芸人たちの師匠の思い出話しが載っている。その一つに、「マクラってえのは大事なんだ。マクラこそ稽古しなくっちゃだめだ。そこで言いよどんだりしたらあとで話しに影響する。 あの談志さんだてマクラを稽古してるんだ。 ある結婚披露宴で俺がはばかりにたったら、個室で一緒に出席していた談志さんがスピーチの稽古をしてんだ。」
といってマクラの重要性を説いていたそうです。 
ほんとにそうですよね。TPOを考えたマクラでお客さんをつかんだらあとはもう本編はやりやすいですよね。 マクラでかみかみだと集中できなくなる。 稽古しないと。
清五楼

ちりとてちんの会 チラシ

  • 2014/06/14(土) 18:10:32

前の記事を編集すればよいとは思いますが、ここにアップします。
チラシは東家静香さんからいただきました。くん寧

24ちりとてちん

ちりとてちんの会 おかやま

  • 2014/06/14(土) 10:41:41

明日、6月15日(日)に岡山で行われる、第24回ちりとてちんの会へ行く。岡山市は転勤で20~30代に10年あまり住んだことがあり、それが弱年の頃だけに様々な思い出が詰まっている懐かしい街である。

昨年、大阪・池田で岡山在住の「五月家とんぼ」さんと出会い、とんぼさんの紹介で「東家三ん生」さんとも知り合った。とんぼさんは池田の落語みゅーじあむで落語を習っていて、私よりも2歳年長。地元で同好会を立ち上げ、定期的に稽古会を開いていて、その意気たるや密かに尊敬している。私も精進せねばと思わずにはいられない。定年後に始め、恥を重ねるだけの高座。それでも落語を通して頂いたご縁とは実にありがたいものである。

先の「第五回あたらし寄席」では三ん生さん、田舎家かかしさんの高座は拝見したが、ほかの方は初めて。中でも社会人落語日本一の初代優勝者、五月家ちろりさんは雲の上の人と、畏れている。打ち上げでお話ができたとしたら、こんな嬉しいことはない。

演題・演者(敬称略)
「狸の札」   東家 三ん生
「宿屋ばばあ」 南通亭 若奈
「天災」    田舎家 かかし
「片棒」    五月家 ちろり
中入り
「皿屋敷」   浪遊亭 春乃
「茶屋迎い」  藤乃家 美里

おかみさんからの手紙

  • 2014/06/12(木) 13:34:32

百々亭さてんさんは、喫茶店の店長さん。
その喫茶店の隣に老舗酒店「今田商店」さんがあります。
ここのおかみさんは、陰になり、日向になって、いつも楽笑会を見守り、応援してくれる大事な大事なお客さまです。

実はこのおかみさん、桁はずれの元気印でございまして、喋りだせば機関銃の如く、走り出せば新幹線の如く、飲み出せばうわばみの如く・・・まあ、とにかくスーパー・ウルトラ・パワフル・マダムなのです!しかし、そういう人に限って、電池が切れるとウンともスンとも言わない電化製品のような日もございますようで、しばらくナリを潜めていたらしいとか。

そのおかみさんから、6月8日の発表会の日、心のこもったお手紙と焼酎の差し入れを頂戴いたしました。(おかみさん、ありがとうございます!)

手紙ったって、そんじょそこらの手紙じゃござんせん!紙はなんと巻紙!

「巻紙も痩せる苦界の紋日前」なんて都都逸もありますが、いまどき巻紙ですよ!

そこに墨黒々と・・・と言いたいところですが、実に色鮮やかに!
達筆、達筆、たたたたっぴつーーーーって、おい!絵も描いてあるよ!(笑)

あんまり素敵なお手紙なので、ちょいとご覧にいれましょう。

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文中にもあるとおり、6月17日には【おたのしみ試飲会】も開かれるとのこと。
美味しいお酒を飲みたい方、パワフルおかみに会いたい方、足を運んでみてはいかがでしょうか。

さえの助

第79回発表会

  • 2014/06/11(水) 15:40:44

6月8日(日)第79回発表会が開催されました。前日も前々日もどしゃぶりだったのに、当日はかろうじて曇天。そのおかげもあり、80名以上のお客様においでいただきました。ご来場くださった皆さま、どうもありがとうございます!

来月で、落語を初めてちょうどマル2年を迎えんとしているワタクシ。初めて開口一番を務めさせていただきました。開口一番て、ひとくちに言いますが、ただのトップバッターじゃないんです。

「どんなヤツが出てくるんだろう?」
「素人だって言ってるけど、どのくらい面白いの?」
「友達に誘われたから来てみたけど、落語って初めて聞くんだよねー。」

そんな期待と不安と好奇の目が客席からビシビシ注がれる中、しずしずと高座に上がり、お客様がリラックスできる雰囲気づくりをしなければなりません。責任重大ですっ!さて、どうすればいいのでしょう?

諸先輩方や落語仲間にも相談に乗ってもらい、最初は小咄をやろうと思っていました。「隣のうちに囲いができたね。」「へ~」みたいなヤツ。「姐さん粋だね!」「あたしゃ帰りだよ!」みたいなヤツ。そういう短い小咄をガンガンやりまくろうと。

でも、なんか面白いと思えない。ほんとにこんなことで笑ってもらえるんだろうか?だんだん自信がなくなり、自分が面白いと思えないものをやってもお客さまに伝わらない!と思いなおし、本番4日前に中身をがらっと入れ替えました。

結局やったのは、その日の出演者紹介。こっちはプロや芸能人じゃないんだから、みんながその人のことを知っているわけじゃない。どんなヤツなのか、横顔を知ったら少しは親しみを感じてくれるかも・・・。ただ、それだけの思いでした。幸い、直前に楽笑会公式ホームページをリニューアルし、その会員紹介を私が書いたので、ネタはすべて頭に入っている!役得の再活用です(笑)

自己紹介からはじめ、6人の演者ひとりひとりを紹介したので、ちょっと長いマクラになってしまい、時間も5分ほどオーバーしてしまってあとで怒られたけど、でもお客さまの笑顔に支えられて、なんとか無事にやり遂げることができました。

<番組>
「初音の鼓」狐々亭さえの助
「紙入れ」 笹の家小夏
「替り目」 百々亭さてん
―仲入り―
「五輪玉すだれ」 嶺風家紫和
「バールのようなもの」 金河岸亭とも助
「つぼ算」 浦鐘家清五楼


次回の発表会は第80回という記念すべき会になります。
8月24日(日)、深川江戸資料館レクホールにて、また皆さまとお目にかかれるのを楽しみにしています!

さえの助

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